Yahoo!動的検索広告(YDAS)の仕組み/コツ/設定方法
動的検索広告(DSA)とは
動的検索広告(DSA)とはDynamic Search Adsの略で、URLで指定したWebサイトのコンテンツに基づいた広告文を自動で生成し、ターゲティング表示をする広告です。動的検索広告(DSA)はリスティング広告の一種ですが、通常の検索連動型広告とは異なり「キーワード」ではなく「対象ページ」を登録することが特徴です。
通常の検索連動型広告では広告主が予め設定したキーワードや広告タイトル、またランディングページなどがユーザーの検索語句が一致したときに広告が表示される仕組みとなっています。
それに対して動的検索広告(DSA)では広告主はキーワードではなくWebサイト(ページ)自体を登録します。そして検索エンジンがWebサイトの情報を解析し、ユーザーがWebサイトの情報と関連性の高い検索語句で検索したとき、自動で広告を表示する仕組みです。
なので通常の検索連動型広告異なり、キーワードや広告タイトル、ランディングページの細かい設定が不要になります。
動的検索広告(DSA)の必要性
Yahoo!が実施した調査によると2017年の9月では、過去六ヶ月に検索されたことのない新規検索語句の割合は33.1%にまでなることがわかりました。
2017年9月に調査した結果、過去6カ月に検索されたことのない新規検索語句の割合は33.1%
引用: 「新しい流入」が期待できる動的検索連動型広告を設定しよう
このデータを踏まえると人力では対応しきれない、もしくは現時点では予測できないクエリに対して、機械の力を借りて、広い範囲で網羅していく動的検索広告(DAS)の重要性は高まっていくと思われます。
また以下のようなデータもあります。
・検索語句が3語以上で構成されている割合が54%もあること。
手動で各検索語句のパターンに対応するのはとても大変でかなり時間がかかります。
・過去6ヶ月に検索されたことのない新規検索語句の割合が20%もあること。
トレンドの変化により日々、様々な言葉や事象が増えていくため、それに伴って新しい検索語句が登場してきます。それを追うように人力でキーワードの設定を行っていくことは無理があります。
また新規検索語句の登場スピードは今後加速していくことも予想できます。
・入札キーワードと完全に一致しない検索語句の割合が 70%もあること。
部分一致や絞り込み部分一致などのマッチタイプを活用し、漏れの無いように入札キーワードの洗い出しを行っても、実際の検索語句レポートをなどで確認を行うと、思いもよらぬ形での検索で表示されていることも多くなっています。語句の組み合わせではなく、文章で検索される傾向を踏まえると人力だけでのキーワードの洗い出しには限界が出てきます。
これまで様々なデータを引用して動的検索広告(DAD)の必要性について解説してきましたが
つまり今後動的検索広告の有効性が増してくる理由にはおおまかに以下のものがあります。
・日々新しい語句が登場している
・検索語句の複雑化
・上記の検索語句の複雑化などに手動で対応するのが困難
動的検索広告(DAD)のメリット
先ほど動的検索広告(DAD)が今後ますます有効になってくると述べましたが動的検索広告(DAD)はそれらの変化に対してどのようなメリットを持ち合わせているのか。これから解説していきます。 そもそも動的検索広告(DAD)のメリット以下ものがあります ・キーワードの網羅性が上がる ・キーワード/広告文/ランディングページの細かい設定の手間が省ける ・クリック率の向上を期待できる-
キーワードの網羅性が上がる
通常の検索連動型広告のキーワード設定では網羅しきれない語句を拾うことができます。
自分たちでは想像しえなかった検索キーワードを動的検索広告(DAD)を利用することによってGoogleの機械学習機能が自動で発見し設定してくれます。
これにより検索語句の変化や複雑化に素早く対応することができます。 -
キーワード/広告文/ランディングページの細かい設定の手間が省ける
通常の検索連動型広告ではキーワード群(広告グループ)に対して、広告タイトル・広告文/ランディングページを用意する必要がありますが、これらの設定が不要になります(厳密には広告タイトルと広告文の設定が自動でされます)。
ただしサイト構造や盛り込まれているキーワードによって、広告配信の精度が左右されてしまうので、配信前に綺麗なサイト構造に整える必要があります。 -
クリック率の向上を期待できる
今まで自力では網羅することが難しかった検索キーワードに対して広告が掲載され、かつ関連性の高いタイトルで広告が表示されるのでユーザーが探している情報とのズレが生じにくくなりクリック率の向上を期待できます。また広告配信量が増えウェブサイトへの流入増加が期待できます。
実際にYahoo!が行った調査によると標準キャンペーンに比べクリック率(CTR)が約2.5倍上昇、クリック単価(CPC)は約6割減少したという結果が出ています。
動的検索広告(DAD)のデメリット
その一方で動的検索広告(DAD)のデメリットとしては以下の三点があります。 ・意図しないキーワードへ広告配信してしまう可能性がある ・インデックス数の少ないサイトでは効果を発揮しづらい ・キーワードごとの入札単価の調整ができない。-
意図せぬキーワードに、意図せぬ広告が配信されてしまう恐れがある
動的検索広告はURLで指定したWebサイトのコンテンツをGoogleやYahooがクローリングして自動でキーワードの抽出してしまいます。
なので「自動車 販売」についての広告を出したかったのに「自動車 売却」など意図せぬキーワードを拾ってしまうリスクはあります。 -
インデックス数の少ないサイト(100未満程度)だと効果を発揮しづらい
動的検索広告(DAD)はGoogleやYahoo!がサイトクロールを行い、インデックスをして、格納された情報をもとに、ユーザーが検索したキーワードと関連性が高いページを抽出して、広告を配信する仕組みになっています。
そのためサイトのページ数が少ない場合はサイトクロールをされにくく、動的検索広告(DAD)が適していない場合があります。 -
キーワードごとの入札単価の調整はできない
成果の出やすい検索キーワードのような場合、入札単価を自ら調整できないと競合に負けてしまい、広告表示できなくなるケースもあります。成果が出ているキーワードについては従来の検索連動型広告でキーワード登録しておき、個別に入札単価を調整するようにしましょう。
動的検索広告(DAD)と相性のよいWebサイト
ここまで動的検索広告(DAD)についてメリットやデメリットなど解説してきましたが、ずばりどのようなWebサイトが動的検索広告(DAD)を使うべきなのかを解説していきます。
動的検索広告(DAD)と相性の良いWebサイトには以下のものがあります。
- 情報量が豊富で多くの商品を取り扱うメディア
EC、旅行、不動産、エンタメ、美容、人材、通信などの情報量が豊富で多くの商品を取り扱うページ数が多くなるWebサイトなどで手動では全ての商品についてキーワードを設定できないなどのことがありますが、動的検索広告(DAD)は自動化によりそれらのキーワードを設定する手間を省きます。
またキーワードなどを自動で設定するので更新の手間なども省けます。 - SEOが強い広告主
上記したように動的検索広告(DAD)のサイトクロールを行い、自動でキーワードを設定するという仕組み上、SEOに強いWebサイトととても相性が良いです。
クローラーにどれだけ読み取ってもらえるか、また読み取ってもらえてもどれだけ読み取りやすいサイト構造にして、キーワードが適切に配信されるようなサイト設計にする必要があります。
動的検索広告(DAD)のコツ
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会社概要ページや利用規約など、広告配信対象外のページを除外する
会社概要ページや利用規約などのページまでもが広告配信対象になると意図しないキーワード読み取られ設定される可能性があります。広告配信対象外のページがno follow属性でクローリングされなかったとしても、念の為配信対象外に設定しておく必要があります。 -
あらかじめ明確にノイズとなるキーワードは除外する
こちらは通常の検索広告にも言えることですが事前に明確にノイズとなるキーワードはフレーズ一致で除外する必要があります。
本来とは別の概念を指すものやコンバージョンにつながりにくいものはしっかり除外した上でサジェストツールを使いながら、除外キーワードを洗い出していくこともおすすめです。
必要ない面への配信は避けて、無駄なコストを出さないようにしていきましょう。
(以下にサジェストツールやコンバーションに繋がりにくいものを具体的に解説しています)
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サイト構造ごとに広告グループを分けて配信する
動的検索連動型広告(DAD)は設定したURL内の情報から適切な検索キーワードを判断して配信します。またページ内容に応じたキャンペーン・広告グループ構成にしたサイト構造を構築することで ページURLや検索キーワードの管理がよりスムーズになります。 -
頻繁に検索語句レポートを確認する
デメリットでも述べましたが意図せぬキーワードを拾ってしまうリスクがあります。
なので頻繁に検索語句レポートを確認して適切な語句を拾えているか確認し、修正する必要があります。特に初動の頃は毎日検索語句レポートを見るなどして、こまめにキーワードの精査をおこなうのが好ましいです。
動的検索広告の設定方法
Yahoo!動的検索連動型広告の始め方はGoogleと異なり、フィードの登録が必要になります。
流れはこの通りです。
- ページフィードの作成
- ページフィードの管理画面でのアップロード
- キャンペーンの作成(ページフィードへの紐付け)
ページフィードの作成
動的検索連動型広告を始める上で、まず必要になるのが「ページフィード」です。動的検索連動型広告の配信対象としたいページのURLをあらかじめ登録しておきます。登録するページフィードの中身は以下の2種類のみでいたってシンプルです。
- ページURL(必須)
- カスタムラベル
「ページURL」はターゲットとするウェブページのURLを記載します。こちらは必須です。ここで登録するURLの一覧が動的検索連動型広告の対象となるURLになるため、活用したいページは全て網羅する必要があります。たとえば「https://example.com」 のように記載してもその下層を配信対象に含むことはありません。
オプションの「カスタムラベル」を利用すると、ページURLをグルーピングしてターゲティング設定することができるようになります。同じ商品カテゴリやサービスなど、特に訴求を変える必要のないページURLには共通なものを記載しておくと便利です。 カスタムラベルは半角のセミコロン(;)で区切るとことで、1つのページURLに対して複数を登録できます。
以下二つの点に注意しましょう。
- 異なるドメインのページURLを1つのページフィードには含められません。ドメインごとにページフィードの作成が必要です。
- トラッキング用のパラメータが付与されたURLは、ページURLに設定できません。必要に応じて、アカウント、キャンペーン、広告グループ単位で設定可能なURLオプションを利用しましょう。
ページフィードの管理画面でのアップロード
(1)検索広告のタブから、
(2)ツールにカーソルを合わせ
(3)ページフィードをクリックします。
(1)ページフィードを追加をクリックします。
(1)ページフィード名
(2)ドメインを入力し
(3)問題なければ作成をクリックします。
(1)次に作成したページフィードの管理ボタンをクリックし
(2)アップロードをクリックします。
(1)新規で作成したので、今回は新規登録・置換を選択し
(2)フィードのファイルを選択します。
(3)問題なければアップロードでフィードのアップロードは完了です。
キャンペーンの作成
キャンペーンの作成を行なっていきます。
(1)検索広告タブのキャンペーン管理の中のキャンペーン作成をクリックします。
(1)キャンペーンタイプを動的検索連動型広告キャンペーンを選択し
(2)キャンペーン名を入力します。
(1)予算
(2)入札方法を設定していきます。
(1)次に広告グループ名
(2)入札単価
(3)ターゲット設定を選択、をクリックします。
(1)適時ターゲット設定を追加してください。今回は全てのウェブページの設定で進めています。
(2)右側にターゲット設定を追加されていることを確認して
(3)設定をクリックします。
広告を設定していきます。広告名や説明文などを追加して、各項目を設定します。
問題なければ、保存を押して完了です。
動的検索広告(DSA)のまとめ
今回は動的検索広告(DSA)について解説いたしました。
動的検索広告(DSA)は自ら任意のキーワードを指定する検索連動型広告と比べて自動でキーワードを指定するため手間がかからないなどのメリットがあり、クリック率の向上などを期待することができます。特にECなどの多くの商品を抱えている業種の方にはおすすめとなる広告出稿方法です。しかしその一方で自動化が故に意図せぬキーワードを設定してしまうなどのデメリットもありました。
動的検索広告(DSA)導入のメリット・デメリットを考えた上でこの機会にぜひ取り入れてみてください!
今回の記事では扱わなかったGoogleでの動的検索広告(DAD)の設定方法などを解説しています。
こちらもご参考にしてください!
https://digima-labo.com/1947/